シューマン:交響曲 第1番 変ロ長調「春」Op.38

ポール・パレー指揮 デトロイト交響楽団

 

毎年、春を迎えるこの時にこの曲の未体験盤を聴く習慣が、随分前から続いている。雪舞う長く凍てつく冬から草木が萌え色づく暖かな春へ。シューマンがこの曲を「春」と名付けてくれたことはありがたく思う。身も心も一掃すべく、心機一転、新しい生活に踏み出す際に、新盤を聴くのは本当に良い機会であるのだ。とにかく心躍らされる曲である。ここぞという所でテンポを落とす妙技を見せる指揮者も胸にじわっとくるが、冒頭フルートが春の暖かな風を運んだ後に豊かな音色でハイテンポで一気に吹き抜ける、そんなパレーの技も全く粋なのである。終楽章が終わった後の爽快感は格別だ

 

 
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第7番「大公」Op.38

シューベルト:ピアノ三重奏曲 第1番Op.38

アルフレッド・コルトー(P)

ジャック・ティボー(Vn)

パブロ・カザルス(Vc)

中野クラシックでも愛聴されていたであろう、カザルストリオの最も古いレーベルである。『大公』は1928年、シューベルトは1926年録音。おおよそ100年前の音楽録音技術が始まって間もない頃の非常に古いものである。久しぶりに以前に復刻されたCDを引っ張り出して聴いてみた。全くぼけた感じがなく信じられないほどの鮮明な響きを持っている。三楽器の呼吸はピッタリ、言うまでも無く奏者は超がつくほどの巨匠たちであるから文句のつけようもない。当時の録音では交響曲・管弦楽曲のどうしても音を拾いきれない面もあるが、反対に本盤のように器楽曲ともなるとより一層の生々しい奏者間のやり取りが感じられる。

 

 

美作七朗と中野「クラシック」

 

 

 

 

 ショパン:子守歌 変ニ長調 作品57

 

 クライスラー:羊飼いのマドリガル、愛の挨拶

 

 モーツァルト:『フィガロの結婚』より

 

  「恋とはどういうものかしら」「そよ風によせる」

 

 セレナード第7番ニ長調

 

  『魔笛』より「恋を知るほどの殿方は」

 

 子守歌(ベルンハルト・フリースの子守歌)

 

 シューマン:子どもの情景から「トロイメライ」

 

 エルガー:アリア 〈全てSPレコード音源〉

 

中野クラシックと美作七朗氏の記録映像、更に所蔵品の一部であろうSPレコードを収録したDVDである。モーリツ・ローゼンタール、パブロ・カザルス、クレメンス・クラウスなど戦前に活躍した演奏家の貴重な録音が楽しめる。記録映像には氏が描いた油絵も紹介されている。一般の販売ルートに載らないマニア色が強い自主制作に近いものである。以前は阿佐ヶ谷の名曲喫茶「ヴィオロン」でしか入手できなかったが、今は専用のWebページから入手できるようである。

 

中野『クラシック』①へ戻る〉

  ホームに戻る