シューマン:ピアノ協奏曲イ短調
ショパン:マズルカ ヘ短調
スカルラッティ:ソナタ ニ短調
ヒナステラ:粋な娘の踊り
コルト指揮 ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
アルゲリッチはドキュメント映像、映画を見る限りだいぶ気難しい方の印象がある。真の芸術肌なのであろう。ショパン聴いていたら、何故だろう、どうしてもこの盤を聴きたくなった。元々は知人から借用して聴いたのが出会いの始まりであったが、個人的にこのライブのシューマンが気に入っている。アンコールも凄い。これぞアルゲリッチ。情熱の塊だ。バッハやスカルラッティが想像を絶する彼女の指先の動きでここまで人を感動させるものかと感心してしまう。一方でショパンのマズルカも落ち着いた上品な響きで、何かもの悲しさまで感じてしまう。よく纏まっており、最初から最後まで途切れなく聴き惚れる、そんな名盤である。
クルト・マズア指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
ペーター・シュライアー(T) テオ・アダム(Br)
ライプツィヒ放送合唱団 ベルリン放送合唱団
ドレスデン・フィルハーモニー児童合唱団
第九はもう追い切れないほど発売されているが、歴史を見ても変革の節目に演奏されているのは紛れもない事実で、壮絶な時代背景の下に録音されたものが残っているのが特に興味深いと思う。ナチスドイツが崩壊する直前にフルトヴェングラーがベルリンフィルを振るった1942年盤メロディアがそれであり、一方でベルリンの壁が瓦解し人々の喜びを体現するかのようなバーンスタインの1989年盤がそのものなのかもしれない。マズアもゲヴァントハウスで翌1990年に、またその20年後に統一ドイツ記念式典コンサートでライブを残している。しかし私はこれとは別の1979年盤を採り上げたいと思う。彼は合唱に少年少女合唱団を常に加えることが有名で、これを天使の声のように感じるのは私だけではないと思う。大人だけの第九の世界の中に、平和の源でもある子ども達の彼らにしか出せない純な声域が加わることで、逆に新鮮さを感じてしまう、私もそんな年齢となったようである。
美作七朗が愛でたSPレコード
《アデライーデ》(偽作)
ヴァイオリン・ソナタ第34番
ベートーヴェン:セレナードニ長調
ベートーヴェン:セレナードニ長調
フォスター:名曲集
名曲喫茶ヴィオロンと支援者が故・美作七朗氏を偲んで製作した自主レーベルである。店内中央にあるSPレコードの再生機クレデンザを囲んで催されたライブ録音である。シモン=ゴールドベルクをはじめ、この盤中に収められた演奏家やその時代背景を司会者が丁寧に解説している。以前は阿佐ヶ谷の名曲喫茶「ヴィオロン」でしか入手できなかったが、今は専用のWebページから入手できるようである。
〈阿佐ヶ谷『ヴィオロン』①へ戻る〉